2011年の原発事故により避難を強いられた町民が生活する福島県郡山市の仮設住宅。
その住民の生活支援・サポート事業を行う「おだがいさまセンター」で当時センター長を務めていたのがヴォイス・オブ・フクシマ監査の天野和彦、災害FMスタッフをしていたのが代表の佐藤正彦、そして理事の久保田彩乃です。
この3人が、仮設住宅集会所の倉庫に眠っていた3台のギターを発見し、「これで何か支援活動ができないか?」と考え2013年に始まったのが「歌声喫茶」。2014年からは東京から福島へ移住してきたミュージシャン野島健太郎をメンバーに迎えて、現在まで定期的に行なっています。
これまで福島県内の仮設住宅、復興公営住宅や介護施設などを中心に訪問し、集まった住民の方々と一緒に懐かしい歌、思い出の歌を生演奏で歌ってきました。
歌声喫茶は
・演奏を聞くだけのコンサートではない
・好きな曲をリクエストしてみんなで一緒に歌える
・おしゃべり、手遊びも交えて
・もちろん見ているだけでもOK
特に仮設住宅には、狭いスペースに1人や夫婦だけで暮らす高齢者世帯が多いため、
「懐かしいなぁ」「若い頃よく歌った」など思い出話に花が咲き、「久しぶりに大きな声で笑った」という声もいただきました。
震災から年月が経過したこれからは「復興(災害)公営住宅」への定住も増え、新たな環境で、自治会など新しいコミュニティを再び作り直さなければいけないという課題があります。そんな時、みんなで歌い笑うこの歌声喫茶が、みなさんのコミュニティづくりのお手伝いになります。
自治会主催のイベントや、地域の集まりの際にみんなでわいわい歌うことで、住民同士の交流が深まり、地域の活性化を促すことでしょう。
須賀川市や川内村では、地域活性化を目的に活動している地元団体や商工会メンバー・学生たちの集会の中でも開催しました。これは、音楽を通してコミュニケーションを深め、地域の魅力や人とのつながりを再確認し、新たなアイディアの提案につながりました。
これからも、被災地だけでなく、県内外問わず、さまざまな場でこの歌声喫茶活動を実施して参ります。
「歌声喫茶」の開催をご希望される方は、ぜひこちらのお問い合わせフォームからメッセージをお願いします。
sings
2016年8月29日
緑ヶ丘仮設住宅